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日本型コンビニ 米国食文化の3大チェーンの脅威になる? [スイーツ ニュース]

コンビニが元気だ。全国のコンビニ店舗数は2014年2月末現在、4万9982店に上り、前年同月と比べ2637店(5.6%)も増えている(日本フランチャイズチェーン協会のデータ)。日用品や雑誌などあらゆる商品を取りそろえる便利さはもちろん、パンやお弁当、コーヒーなど多彩な飲食メニューが年々進化しており、老若男女の消費者を引きつけている。そのコンビニの勢いと反比例するかのように、アメリカ食文化を体現する3大チェーンの苦戦ぶりが浮かび上がっている。マクドナルド、ケンタッキーフライドチキン、ミスタードーナツだ。

 この3大チェーンは、約40年前に日本上陸し、日本人の食習慣に大きな影響を与えてきた。ケンタッキーフライドチキンは1970年、マクドナルドとミスタードーナツは1971年、それぞれ日本での第一号店をオープンさせた。いずれもアメリカ生まれの食べ物で、当時の日本人に鮮烈な印象を与えた。以来、瞬く間に全国に店舗を展開。積極的にテレビCMを行ったこともあり、これらのアメリカ食は、すっかり日本人におなじみの食べ物として受け入れられるようになった。

 ところが、これら米国発の老舗チェーンともいえるこの3社に、このところ異変が起きている。いずれも売り上げや利益に陰りがみられるのだ。

 日本ケンタッキー・フライド・チキンの売上高は、2011年3月期で888億2300万円だったが、12年3月期は881億2400万円。13年3月期は858億6400万円と、右肩下がりが続いている。また、日本マクドナルドの売上高も同様だ。2011~13年3月期の推移は、3023億3900万円、2947億1000万円、2604億4100万円と、顕著な減少がみられる。

 ミスタードーナツを運営するダスキンのフードグループの売上高も、同じく2011~13年3月期で、511億1200万円、488億700万円、488億400万円と、振るわない。

 これらと対照的に、コンビニ全体の2011~2013年の売上は、8兆6469億2700万円、9兆272億500万円、9兆3859億5200万円と、右肩上がりに拡大を続けているのだ(日本フランチャイズチェーン協会の統計より)。日本の人口が増えず、外食産業の市場自体が頭打ちとなっている背景はあるものの、コンビニ各社が次々と繰り出す飲食メニューの充実ぶりが、アメリカ発の老舗たちを苦境に陥れている側面は小さくない。

例えばフライドチキン。かつては「フライドチキンといえば、ケンタッキー」と言われた。しかし、ファミリーマートが2001年に店内で揚げる「ファミチキ」の販売を開始、10年間で7.2億個を売り上げた。その後、ローソンの「Lチキ」など、各社が追随。最近はスパイスなどに工夫を凝らし、プレミアム、黄金などと銘打った高級チキンも登場、好調な売り上げを記録している。

 また、スイーツ類の伸長も著しい。ローソンのプレミアムロールケーキは、2009年9月の発売からわずか半年で1800万個以上を売り上げ、コンビニスイーツとして初めて世界的な食品コンテストのモンドセレクションで金賞を受賞。これに負けじと、各社がスイーツ開発にしのぎを削り、今やコンビニ各社のスイーツコーナーは専門店のような充実ぶり。ドーナツが主力のミスドにとっては厳しい状況だ。ハンバーガーと競合するお弁当、おにぎり類の充実ぶりは言うまでもない。

 さらには、コンビニ各社がコーヒー専門店を意識した低価格のいれたてコーヒー販売を2013年から相次いで開始し、爆発的なヒットを記録しているのは記憶に新しい。極めつけは、最近コンビニ各社が店内に設置を増やしているイートインコーナーだ。魅力的な商品をコンビニで買ってすぐ飲み食いできる場が増えるとなれば、手軽においしくお腹を満たせることを売りにしてきた上記の三大チェーンには大きな脅威になりそうだ。

 アメリカ発祥のセブンイレブンも含め、日本国内のコンビニは細やかなサービスと商品開発で各社が切磋琢磨し、独自の進化を遂げてきた。復活を期すアメリカ発祥の老舗三大チェーンも、このまま手をこまねいていないだろう。生き残りをかけた両陣営の争いは激しさを増すのは必至。当事者は大変に違いないが、商品やサービスを享受できる消費者にとっては、今後の新しい展開が楽しみでもある。

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